【令和7年度 出題】
新しく配属された職場では仕事の仕方が旧態依然。ルールやマニュアルができ上がっており、特段大きな課題もないため、部下職員は業務改善の必要性を感じていない。係のパフォーマンスを高めるため、係長としてどのような対応をすればよいか。
現状把握
変革の必要性の共有
小さな成功体験
主体性の引き出し
PDCAサイクル
【論文構成】
① 現状認識(なぜ改善が必要か)
② 部下への働きかけ(意識変革)
③ 具体的な改善行動
④ 継続的な仕組みづくり
模範解答(約600字)
係長として新たな職場に着任した私は、まず現状を正確に把握することから始める。業務フローや各職員の役割分担を確認し、既存のルールやマニュアルの内容を丁寧に理解した上で、非効率な点や改善余地のある箇所を具体的に洗い出す。
次に、部下職員に業務改善の必要性を理解してもらうことが重要である。「今うまく回っているから変えなくていい」という意識は自然な心理であるため、頭ごなしに変革を押し付けるのではなく、係会議や個別面談を通じて、現状の業務の課題や将来的なリスク、改善することで生まれるメリットを丁寧に説明する。職員の意見や疑問を積極的に聞き、当事者意識を持ってもらえるよう努める。
改善の進め方としては、大きな変革を一度に求めるのではなく、まず小さな改善から着手する。職員が「やってよかった」と実感できる成功体験を積み重ねることで、改善に前向きな雰囲気を醸成する。また、改善案の立案に職員自身を巻き込み、主体的に取り組める環境を整える。
さらに、改善活動を継続的なものとするため、PDCAサイクルを定着させる。定期的に効果を検証し、必要に応じて修正を加えながら、係全体で業務改善の文化を育てていく。こうした取り組みを通じて、係のパフォーマンスを継続的に高めていく。
採点で重視されるポイント
- 部下の気持ちを尊重しているか
- 一方的な押しつけでなく対話を重視しているか
- 具体的な行動が書かれているか
- 継続性・仕組みへの言及があるか
【令和6年度 出題】
係にはベテラン職員・若手職員・育児のため時間制約のある職員の3名がいる。それぞれの意欲と能力を十分に引き出し、やりがいをもって働けるようにするため、①業務分担を決める場面と②業務の進捗管理を行う場面に分けて述べよ。
個別最適
強みを活かす
ストレッチ目標
進捗の見える化
フォロー体制
【論文構成】
① 業務分担を決める場面での工夫
② 進捗管理を行う場面での工夫
③ 係全体としての方向性
模範解答(約600字)
【業務分担を決める場面】
まず、各職員との個別面談を行い、それぞれの能力・経験・希望・制約を把握する。ベテラン職員には、その豊富な経験を活かせる重要業務や若手の指導役を担ってもらうことでやりがいを高める。若手職員には、本人が努力して達成できる程度の少し挑戦的な業務を割り当て、成長を促す。育児中で時間制約のある職員には、時間内で完結できる業務を中心に担当してもらいつつ、その能力や意欲を最大限発揮できる役割を与える。業務量は偏らないよう全体のバランスにも配慮する。
【進捗管理を行う場面】
定期的に係会議や個別面談を実施し、各職員の進捗状況を確認する。進捗管理ツールや共有表を活用して状況の見える化を図り、遅れや問題が生じた際には早期に把握できるようにする。ベテラン職員には自律的に進めてもらいつつ、必要に応じて相談できる関係を築く。若手職員には細かく進捗を確認し、つまずいている場合は適切なアドバイスやフォローを行う。育児中の職員には、急な対応が必要な場面でフォローできる体制を係内であらかじめ整えておく。
こうした個々の状況に応じた柔軟な対応により、全員がやりがいを感じながら力を発揮できる係を目指す。
採点で重視されるポイント
- 3者それぞれへの具体的な配慮が書かれているか
- 「業務分担」と「進捗管理」の2場面に分けて書いているか
- ストレッチ目標(頑張れば達成できる目標)への言及
- 育児中職員への現実的な配慮
【令和5年度 出題】
係に新たな業務が依頼された。係長として必要と考えるが、係会議で話したところ、子育て中の職員が多く業務負担増を理由に難色を示している。係長としてどのような対応をすればよいか。
組織の使命
部下の懸念の傾聴
負担軽減の工夫
上司・関係部署への相談
合意形成
【論文構成】
① 部下の懸念を丁寧に聞く
② 業務の必要性を丁寧に説明する
③ 負担を軽減するための具体的工夫
④ 上司・関係部署と連携する
模範解答(約600字)
まず、部下職員が難色を示した理由を丁寧に聴取する。「業務負担が増える」という懸念は真剣に受け止めるべきものであり、否定せずに一人ひとりの具体的な状況や不安を把握する。職員の意見を尊重する姿勢を示すことで、信頼関係を維持しながら対話を進める。
その上で、なぜこの業務が必要であるかを丁寧に説明する。市民サービスや組織としての使命の観点から意義を伝え、「やるべき業務である」という係長としての考えを誠実に共有する。感情的な対立を避けながら、論理的かつ共感的に説明することが重要である。
次に、負担を軽減するための具体的な工夫を検討・提案する。業務の優先順位の見直しや既存業務の効率化、役割分担の調整などを係全体で考える場を設ける。職員自身が解決策に参加することで、主体的に取り組む意欲を引き出す。また、育児中の職員には時間的な制約に配慮した分担を検討する。
さらに、係内だけでは解決困難な場合は、上司や関係部署に現状を報告し、人員の補充や応援体制について相談する。係長として抱え込まず、組織的に対応を検討する姿勢が重要である。こうした取り組みを通じて、職員の理解と協力を得ながら新業務を推進する。
採点で重視されるポイント
- 部下の意見を否定せず傾聴しているか
- 業務の必要性を説明しているか
- 具体的な負担軽減策が書かれているか
- 上司への報告・相談という視点があるか
【令和4年度 出題】
人事異動で新たな体制になり、経験年数の異なる部下をまとめる必要がある。部下の能力や状況を踏まえ、意欲と能力を引き出すような指導・育成を行うとともに、係全体の仕事の効率を上げるにはどうすればよいか。
個別把握
経験に応じた指導
OJT
相互補完
係の一体感
【論文構成】
① 個々の職員の把握
② 経験年数に応じた指導・育成
③ 係全体の効率向上への取り組み
模範解答(約600字)
まず、着任後早期に各職員との個別面談を行い、これまでの経験・得意分野・業務上の課題・将来の目標などを把握する。新体制であるからこそ、先入観を持たずにそれぞれの職員と向き合い、信頼関係の構築を最優先に取り組む。
指導・育成に当たっては、経験年数に応じたアプローチを取る。経験豊富な職員には、その知識や技術を最大限に発揮できる業務を割り当てるとともに、若手の指導やノウハウの伝承を担ってもらうことでさらなる成長意欲を引き出す。中堅職員には係の中核として自律的に動ける環境を整え、若手職員には本人の努力で達成できる目標を設定し、成功体験を通じて自信と意欲を育てる。いずれの職員に対しても、定期的な面談を通じて進捗を確認し、適切なフィードバックを行う。
係全体の効率向上については、各職員の強みを活かした適材適所の業務分担を徹底する。また、ベテランの暗黙知をマニュアル化・共有化することで、係全体のスキルレベルの底上げを図る。情報共有のための係会議を定期開催し、業務上の課題を全員で解決する文化を育てる。こうした取り組みにより、経験年数の違いを強みに変え、一体感のある係を築いていく。
採点で重視されるポイント
- 経験年数ごとに異なる対応が書かれているか
- ベテランの活用(後進育成・知識伝承)への言及
- 若手への具体的な育成方法
- 係全体の効率化・一体感への取り組み
論文攻略の鉄則
① 必ず「係長として」の視点で書く
「自分が」ではなく「係長として」何をするかを書く。主語を意識する。
② 構成は「問題把握→対話→行動→継続」
いきなり解決策を書かず、まず現状把握・部下との対話を書く。
③ 部下を否定しない
部下の意見・懸念を「まず受け止める」姿勢を必ず書く。
④ 具体的な行動を書く
「工夫する」「努力する」では不十分。「個別面談を行う」「共有表を作る」など具体的に。
⑤ 上司・組織との連携も入れる
一人で抱え込まず「上司に報告・相談する」という視点を入れると評価が上がる。
頻出キーワード(必ず覚える)
- 個別面談・現状把握
- 意欲・能力を引き出す
- ストレッチ目標(頑張れば達成できる目標)
- 主体性・当事者意識
- PDCAサイクル
- 情報共有・見える化
- 上司への報告・相談
- 係の一体感・チームワーク
試験当日の時間配分(60分)
問題文の読み込み・構成メモ:10分
第1段落(現状把握)を書く:10分
第2〜3段落(対話・行動)を書く:30分
第4段落(継続・まとめ)を書く:8分
見直し・修正:2分